出版社:講談社
刊行年:2002.10.28
定 価:2,000円(税別)
ISBN:4062115808
四六版  519p
装 丁:津原修(ZEROCOOL)

単行本

文庫(上下)

THAI


『ダーク』
『40歳になったら死のうと思っている』
成瀬の獄中自殺を知った村野ミロは、死を決意する。
それは、これまでの世界との訣別を意味した。
ミロは、周囲の人間を次々と破滅させていく。
父の善三。隣人で親友だった友部秋彦。善三の盟友・鄭健栄。そして善三の内妻・久恵。
破滅しきった後、ミロは新しい世界への脱出を図った。
偽造パスポートを手に入れて韓国に渡ったミロは、光州事件を経験して心に傷を負う徐鎮浩と出会う。
徐とミロは惹かれ合った。新しい恋人・徐とミロの逃避行が始まる。

作者のコメント
 講談社の「in-pocket」という月刊誌に2年半連載した後、最終章だけ「小説現代」に書き下ろしました。つまり、3年半の長きにわたった連載になってしまった訳です。勿論、ミロシリーズの続きとして書いたのですが、連載の開始に当たってひとつだけやめようと思ったことがありました。新たな事件が起きて探偵のミロが解決し、成長していく、という探偵小説としてのパターンでした。それよりは、村野ミロという一人の女の同時代進行の物語にしようと思ったのです。どこへ行くかわからないミロの生き方を淡々と書いていき、読者の方がミロに反発したり、面白がったり、見守ってくれたらいいな、と思ったのです。というのも、書いている私自身が変化するので、ミロがこれまでと同じ女でいるはずはないと思ったからです。
 結果、ミロは成瀬の死を知って狂乱し、義父の善三の死に関わり、金を盗んで韓国に逃げ、そこで出会った徐鎮浩と暮らし始めることになりました。殺人、覚醒剤、レイプ、出産、逃亡。思ってもいなかったダークな展開に、私でさえも驚くばかりです。物語が勝手にダークになっていくのは、過去、私がミロを捨て去ろうとしたことがあるので、ミロが作者に歯向かっているのかもしれません。面白い経験でした。
 シリーズの次作は、ハルオを生んだミロが沖縄の地でサバイバルしていく物語になるでしょう。ミロに何が起きるのか、新たな出会いはあるのか。そしてレイプの結果生まれたハルオとの関係は。大阪刑務所に収監された徐はもう一度ミロと会えるのか。我ながら先の読めない展開に驚いております。ご期待ください。
(インタビュー・構成 ミッシー鈴木)